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地下室ブログ

板橋にある地下スペース「アートスタジオDungeon」で開催する展覧会やイベントの情報を発信します。

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音楽イベント『 Concrete 』のお知らせ

ぼやぼやしているうちにすっかり春めいてまいりました。
今年最初の地下室は、當間健一郎さんによる音楽イベントです。

當間さんは以前「乱戦」という、したい放題なイベントをやっており、今回もなかなか力の入った豪勢な企画。
濃厚な顔ぶれがこれでもかというくらい集結し、ノイジーでエクスペリメンタルなライブが2日間にわたって繰り広げられます。

なにをやらかすか少々不安な出演者もいないではありませんが、これはかなり面白いことになりそうです。
飲んだり食べたりしながら、奈落の音響をごゆるりとたっぷりご堪能ください。





Concrete


◼️2018 3.24(sat) 16:00 - 21: 00

小川直人 16:30-17:30
neinen × P.R.D 17:30 - 18:30
pot-pourri 18:30 - 19:30
PUNSUCA 19:30 - 20:30


◼️2018.3.25(sun) 16:00 - 21:00

gloptin 16:30 - 17:30
miura motomu 17:30 - 18:30
北大路翼 × 神尾良憲 18:30 - 19:30
physis 19:30 - 20:30


¥1500

※配信メールでは「前売り:2000円/当日:2500円」としておりましたが、一律「1500円」が正しい料金とのこと。お詫びして訂正致します。




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晦日い 2017

今年も地下室をよろしくお願いします。
遅ればせながら、昨年末の晦日いのご報告です。



展示も参加者も例年より多くて大盛況。
当日飛び入りで作品を持ち込まれる方もおり、すべて把握しきれないくらいの、ほどのよいカオスっぷりでした。


■あらかわあつこ『去年と今年のアルバム』『今年の個展ファイル』『「アーティストたちの家づくり展」出品作』
他人のアルバムを見るとき、なんだかその人の生活を覗くような、ちょっと後ろめたい気になります。既知の場所や知った顔に出くわすと、さざ波が立つようにハッとなったり。ましてや自分の姿を見つけたときなぞは。





■市川平『サンダとガイラのサンダ』
特殊照明作家の市川さんの作品は屋外に設置してもらいました。軒先でくるくると回転する照明が、誘蛾灯のように来場者を招き寄せてくれました。




■岡啓輔『ビルとズボン』
再開発問題は厄介そうですが、昨年は東京国立近代美術館の展覧会でも取り上げられ、日本建築史の中に確たるポジションを得た感があります。新井英樹さんが描いた岡さんの漫画も単行本化。




■木村哲雄『未来都市』
レトロフューチャーな未来都市。ドローイングというよりタブローのための下絵といった感じ。早くこの系列の絵画作品を見せてくれ画伯。




■関根正幸『ご近所写真』
ここのところ関根さんが晦日いに出している写真は、どうも記録より審美的な面に重きが置かれているように思われ、実は記録魔の新境地なのかも知れません。意外にちょっと艶かしかったりするのです。




■武田海『紙飛行機』  
立体作品とは違った、とぼけた味わいのドローイング。タイトルも意味不明な場合が多く、作家に訊ねると思いがけず含蓄に富んだ説明が返ってきたり、とくに深い意味はなかったり。そこらへんのユルさもまたいい具合です。




■田中大介『WARITAI』
田中さんは音響でワイングラスを割るというデモンストレーションをしましたが、割れませんでした。




■崔誠圭『家とその周辺に関するエスキース』
「アーティストたちの家づくり」という展覧会のために制作された作品。家づくりに関わるとしたら、というお題に対する崔さんの応答。枯葉の中にカタツムリが居たりします。





■出口泰之『yatoyama』
被写体の植物は、薄暮の森の中で撮影したそうです。イメージが立ち現れることへの出口さんの素直な喜びが画面に横溢しており、デジタルでありながら「現像」という言葉が強く想起されます。





■中島崇『遮蔽と露出 #1』
中島さんの作品をいっぺん野外で見てみたかったので、出入口に設営してもらいました。さすがストレッチフィルムという素材は自家薬籠中のもの。見慣れた風景に、あっという間に隠微な緊張がもたらされました。
中島さんは1月28日まで Gallery OUT of PLACE にて個展を開催中です。




■朴東竜『水族館』『無題』
日常の中の不条理な光景をシュールレアリスムの手法で描き出す東竜さんは、崔誠圭さんの元教え子。はからずも今回師弟対決が実現したのでした。





■比呂啓『ミニ「ゼロプロパガンダン展」』『ネット番組「世界のエスニックタウン」』『自主映画「360㎢」』
比呂啓さんはご近所にお住まいの映像ディレクター。世界の移民街を取材したネット番組の抜粋や、パレスチナへの思い入れに満ちた短編映画など。
また、比呂さんは世界の政治家などの肖像画のコレクションを「ゼロプロパガンダン展」と称して毎年公開しており、今年は2/7〜9に大塚シネマにて開催します。





■宮本江里子『西ノ島』『知夫里島』
宮本さんは毎年パノラマの大画面で未知の土地へ連れて行ってくれるので、たいへん得をした気分になります。今年は隠岐諸島。大画面というのは見るというより体験するといった感覚に近く、より臨場感が増しますね。





■柳田亮『顔出し聖ゲオルギウス』
竜退治で知られる聖ジョージの顏出し看板。商店街のハロウィン・イベント用に作ったものとのこと。柳田さんはモルドバの教会に描かれたこの原画に強く惹かれ、何度も模写しており、その姿勢にはどこかイコン制作者に近いものを感じさせます。




■大和由佳『human leg』
サン=テグジュペリ像の足裏を写した写真と、杖が地面をついている動画が一つのフレームに収められています。大和さんの作品には、発話や歩行といった素朴だけれど根源的な人間の行為への眼差しがあります。




■レンカ『ぬい』
踊り手のレンカさんが作った縫いぐるみのようなオブジェ。人かと思いきや、そうとばかりも言えないアンフォルメルなやつもいたり。かわいいけれど、形代のようなどこか呪術的な気配もあります。




■渡辺篤『Self portrait』
長きに渡る引きこもりから抜け出した際に自ら撮影した鬼気迫るポートレートを、布団カバーに印刷。布団というアイテムに当事者ならではのリアリティを感じます。「干された布団」とは「脱・引きこもり」の暗喩でしょうか。




■Chiyo Arae『prototype Ⅰ』
不在の父を表象する試み。かつてお父さんが来ていた服を象り、それをスクリーンとして所縁の映像を投影しています。




以下は、当日飛び入り参加の方々。
すべてフォローできてなくて、すみません。

■田島鉄也『永遠の思考』
最近は言葉をモチーフにした作品が多い田島さん。




■中野愛子『年越しそば』
俳優の比佐仁さんのポートレート。





そして、岡さんがまた踊ってくれました。
頭にかぶっているのはカモシカの毛皮です。








「晦日い」のお知らせ

今年も残すところあとわずかになりました。
毎年恒例の「晦日い」のお知らせです。

12月30日に忘年会を兼ねて一日だけ開催される展覧会。
今年は過去最多となる18名の参加となりました。
一日だけの展示ではもったいない気がしますが、ハレというのはたぶんそういうものですね。

みなさまお誘い合わせの上、気軽にお越しください。
差し入れ大歓迎です。



【日時】
12月30日(金)15時 - 21時

【参加作家】
あらかわあつこ  市川平
岡啓輔      木村哲雄
関根正幸     武田海
田中大介     崔誠圭
出口泰之     中島崇
朴東竜      比呂啓
宮本江里子    柳田亮
大和由佳     レンカ
渡辺篤      Chiyo Arae






作品紹介

あらゆるタイプの作品を投入してくる猥雑な賑やかさは、海さんの展覧会の特徴とも言え、それは先鋭的なメッセージを標榜した本展でも変わりありませんでした。

展示の中心となる立体作品は2点に絞られ、それぞれ「政治」と「大麻」というテーマを際立たせるシンボリックな機能を担っていました。

◾️Only 100 Years History
これは未来派のボッチョーニの有名な彫刻が元になっています。
日章旗や飛び出た腸といったわかりやすい記号が付加され、アプロプリエーションという用語などよりも端的にパロディと呼んだ方が似つかわしいかも知れません。
20世紀のファシズムと現代日本がオーバーラップして、危険な魅力を放っています。




◾️Flamingo(ボングを届けるナース)
海さんが大麻に対して抱いている多幸的なイメージがこの立像に凝縮されているようです。
ボングとは大麻の吸引道具。台座の緑十字は大麻を示すマークで、米国などでは大麻を扱う薬局や施設に掲げられているとのこと。
モデルは奥さんでしょうと多くの人から指摘されても、作家は頑なに否定するのでした。



この2作は、具象彫刻の可能性、とりわけ人体像がいまも十二分にアクチュアルな問題を扱えるということを示したマスターピースと言えます。


◾️Sloth
テレビに代表されるマスメディアを批判した作品で、光るオブジェがマスというものの無気味さを表しているように見え、どこからともなく聞こえる虫の音が、本展のタイトル「Loud Majority」とも響き合っているようでした。



ほかにも、バカ殿や腰元たちがカルタ遊びに興じるビデオ作品『原発かるた』や、角砂糖でできた『Newさとちゃん』など、肌あいのまるで異なる作品が展示され、その振れ幅、ギャップがたいへん面白いところでした。




さらに、メッセージ性から遊離して、いい感じで力の抜けたドローイングが多数出品されており、これがなんとも不思議な味わいがあって、好評を博しておりました。



(Photo : 中野愛子)



トークイベント:武田海/毛利嘉孝「大麻と日本社会」

この展覧会で海さんが大麻の問題を扱うというのも慮外でしたが、展示もまたちょっと意表をつくもので、立体作品だけでなく、関連書籍や映像、各界著名人のコメント、北大路翼や正岡子規の俳句などが掲出されていて、地下室の一角が大麻の資料コーナーのようになっています。
この啓蒙的ともいえる直球ぶりは賛否の分かれるところだと思いますが、本展の特色の一つであることは間違いありません。







そして、ここで毛利嘉孝さんをお招きしてのトークイベントが行われました。


武田海さんと毛利嘉孝さん

カルチュラル・スタディーズを始めとする毛利さんのお仕事は説明するまでもありませんが、大麻の法改正を訴える「マリファナマーチ」はその雰囲気が好きでよく行かれるとのこと。
『アフターミュージッキング ―実践する音楽―』という編著書が出版されたばかりでもあり、海さんの美術の話に対して、音楽の側から補足してくれたのは有意義でした。

まず海さんが日本における大麻の実情や歴史的経緯を紹介した後、医療目的として導入すべきという自説を展開。それを受けて、毛利さんも自らの考えを鮮明にしながら、柔軟に縦横に話の幅を広げてくれました。

とはいえ、初手からお酒を飲みながらのトークだったため、つい伝法になって舌が滑りすぎることもしばしば。ので、内容についてはこのくらいで控えておきますが、予定の時間を過ぎても話題は尽きることなく、歓談は夜半近くにまで及んだのでした。


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