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地下室ブログ

板橋にある地下スペース「アートスタジオDungeon」で開催する展覧会やイベントの情報を発信します。

今井紀彰展、終了しました

おかげをもちまして、今井紀彰さんの復活祭は盛況のうちに終了致しました。

最終日になってようやく企図していた展示が完成するという無茶な展覧会でありましたが、試行錯誤しながら作品が出来上がっていくプロセスに立ち合えたのは、なかなか得難い体験でした。

今井さんにとっても、完全復活をアピールしただけでなく、次なる展開の端緒となったという意味で、けっこう重要な展覧会だったのではないかと思います。







レキシもすっかり地下室が気に入ったようで、この週末も板橋で遊ぶつもりでいるかも知れません。






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展示作品(コラージュ篇)

管見によれば、今井さんの本領はやはり写真のコラージュにあります。
これまでの作品は、サイズも大きく、複雑な工程を経て何層にも写真が重ねられ、バロック的なイメージを作り上げていました。


「On the earth 八咫烏」

それが事故以来、今井さんの持ち味でもあった過剰さ、巨大さへの指向に少し変化が出てきたようで、この展覧会の少し前から小さなコラージュ作品を作り始めるようになりました。

1枚の写真素材を基に、ごく単純な操作によって構成されたそれらの小品が、息を呑むほどに美しいのです。まさに怪我の功名というべきか。




例えば、この直径30センチほどの作品などは、おそらく橋を渡る車の中から撮影された写真を基にしていますが、ソリッドな美しさに眼を奪われ、一見したところでは何を撮ったものかわかりません。さらに細部に眼を凝らすことで、そこにミクロコスモスの広がりを認め、感嘆を新たにすることになります。

これら珠玉の小品は「World Piece」と名づけられています。
断片としての世界。
シンプルでありながら、曼陀羅的ともアラベスク的とも万華鏡的とも形容し得るような豊かなヴァリエーションを生み出しています。







展示作品(レキシ篇)

■「Speedball」
落ちているのか飛んでいるのか、浮遊しているようにも見える不思議な感覚がおもしろい、レキシを被写体にした写真シリーズ。
自身の自宅3階からの落下体験が重ね合わされているようです。
これを観て、ロバート・ロンゴの「men in the cities」をふと思い出しました。あれの猫版といったら、ちと強引に過ぎますか。
タイトルはとあるスラングに因んでいますが、あたかもレキシがカートゥーンの猫のように、毬のように飛び跳ねている感じがあって秀逸。





■「レキシ」
なんでもありの地下室でも、さすがに動物を展示したのは初めてです。
でも、本当は展示しているわけではなく、今井さんが会期中も片時もレキシと離れたくなくて、いっそのこと会場に大きなケージを作ってしまった、というだけだったりします。
壁面には、拾ってから最近までのレキシのスナップ写真も沢山貼り出されています。
世に猫好きのアーティストはたくさんあれど、その偏愛ぶりをかくまで愚直にさらけ出している例も珍しいのではないでしょうか。
あるいはレキシは、今井さんの退院後の生活/人生を象徴する存在なのかも知れません。




展示作品(インスタレーション篇)

今井紀彰さんの個展も会期半ばを過ぎました。
なにかと常道を外れたところのある展覧会で、なによりまず会期中に制作された新作がどんどん投入されて展示が日々変容していっています。最初の方に観に来てくれた方はもういっぺんいらしてもいいのではないかと思うくらいです。

これからどう変わっていくかわからないので、現時点で展示している作品を順次ご紹介していこうかと思います。


■「入院/儀式」
今井さんの身体を正確に象った人型を、ソフビ製のヒーローたちが囲繞するように並んでいます。
転落事故による入院中、怪我の治療に携わったり、お世話になった人を数えると、延べ百人くらいになるのだそうで、この作品はそんな多くの人に助けられ、支えられた入院生活を表象しています。
そう思ってみると、円谷産や東映産のヒーローたちがなんだかとても頼もしく見えてきます。とくに怪我のひどかった辺りにたくさん人形が集まっているのも納得。
愉快だったのは、近所に住む男の子がこの作品を観て、ぽっかり空いた人型の部分に寝てみたいと言い出したこと。望みを叶えてあげたら、よほど寝心地がよかったのか、お礼に自分の人形コレクションから十体ばかり提供してくれました。


 


■「私の巣」
今井さんはこの作品について語るとき、よく藁の話をします。
米や麦を収穫した後に残る茎を乾燥させ、屋根を葺いたり草履にしたりと無駄なく利用される藁。この藁のような汎用性のある余剰物を現代において探してみると何があるだろうか。そう考えたときに思い至ったのが傘だったそうです。
雨のときは重宝する傘も、雨が上がるや置き忘れたり捨てられたりして、処分に困るほど大量に余っています。そんな忘れ物の傘を活用して作ったのがこのシェルターというわけです。
傘のシェルターはこれまでに屋内野外を問わずいくつも作っており、今回の地下室版は今までで最も小さいそうで、このサイズはホームレスの住居として段ボールより相応しいのではないか、とのこと。
色とりどりの傘でできたドームは見た目にも鮮やかで、中に入ると外光が透けてよりいっそう奇麗です。



※印のついた写真以外は、すべて関根正幸さんの撮影です。



今井紀彰展はじまりました

初日のトークイベントには多くの方にご来場いただきました。

対談では、20年来のつきあいである篠原誠司さんから、事故のことや作品について気さくに水を向けられると、今井さんもフランクに応じ、率直かつ興味深い話をいろいろ聞くことができました。


今井紀彰さんと篠原誠司さん。



おかげさまでオープニングパーティも盛況、陽気がよかったので外まで人があふれてます。
入口にロゴマークの横断幕を新調してしまいました。


展示作品の一部をちょっとご紹介しますと、

入院中のスナップ写真「二度目の俺」


大量のソフビ人形によるインスタレーション「入院/儀式」


傘でできたシェルター「私の巣」


旧作の写真のコラージュによる曼荼羅も展示しています。
会期中には新作のコラージュをどんどん制作していくそうです。


レキシも常駐して皆様のお越しをお待ちしております。



        
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