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地下室ブログ

板橋にある地下スペース「アートスタジオDungeon」で開催する展覧会やイベントの情報を発信します。

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燻製パーティー&パフォーマンス

会期中には、恒例の燻製パーティーや崔さんによるパフォーマンスなどが行なわれました。

パフォーマンスはシンプルながら感銘深いものでした。
ここかしこにキャンドルを灯した武器の中で、崔さんが静かに朝鮮語で語り、歌いました。
歌われたのは『아침이슬/アチムイスル(朝露)』という、1980年の光州事件のときにたいへん流行した歌とのこと。韓国の民主化運動を象徴するような歌ですが、その後もいろいろな影響を与えたようです。



また、来場者に武器を作ってもらうワークショップもやっておりました。
とりわけ男子はいくつになっても武器というものの魅力に抗い難く、作り始めるとつい夢中になってしまうようです。




そして、今年も燻製を堪能したのでした。








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作品紹介

この展覧会は、「武器」という危ういテーマのもとに、生徒さんたちの作品を多角的に展示することで、いまの朝鮮学校のリアルが浮かび上がってくると同時に、崔誠圭というアーティストの仕事の本質が奈辺にあるのか、よくわかるものとなりました。

まず、「ヤローズ」と呼ばれる高校3年生が美術の授業で制作した武器を、インスタレーション風に展示。
やんちゃな生徒たちの興味を引くような課題を与えつつ、問題提起にもなるような崔先生の工夫が感じられます。そうして出来た作品はこうやってちゃんと展示したくなるのがわかるほど、魅力的な造形を有していました。
そのほかにも、彼らが戦中のプロパガンダ図像を素材に制作したコラージュを展示。





そして、美術部の中学1年生が作ったゴム鉄砲。
優れた意匠と実用性を兼ね備えていて、さすが美術部と納得させられる一品。
今回部員の作品はこれ一点のみでしたが、先月開催された文化祭では美術部を中心に「平和X」という展示をやっており、それを拝見したかぎりでも彼らの優秀さがわかります。

チョン・テオ『ゴム鉄砲』(2017年)

卒業生のパク・ステさんが崔先生と一緒に制作した、有刺鉄線と金網でできた不穏な花輪。
かつて丸木美術館にも展示されたことのある、なかなかの傑作です。

パク・ステ、チェ・ソンギュ『献花』(2014年)


これらは単に生徒たちが作ったというのみならず、教師でもある崔誠圭という作家が共に濃密に関わることで成立しているのだということを実感しました。
崔さんにとって、こうした活動もまた自らの重要な表現手段なのです。

最後にもう一点、崔さん自身の作品も展示されていました。
大量の消臭ビーズで作られた「ピースマーク」です。
会期中にビーズがどんどん小さくなっていき、最後に下に置かれた写真があらわれるようになっていましたが、残念ながら最終日までにそれがどんな写真なのか判別することはできませんでした。
平和の下にはなにがあったのでしょうか。


チェ・ソンギュ『Peace symbols』(2017年)




「ぼくらは何も知らないまま 教えられないまま武器を作りつづける」  崔誠圭とヤローズ+α

今月の地下室では、アーティストで東京朝鮮中高級学校の教員である崔誠圭さんを中心とした展覧会を開催します。

わりとご近所ということもあり、縁あってこれまで何度か朝鮮学校の生徒さんたちの展覧会をやっています。
最初のきっかけは、崔さんに連れられて地下室の展示を観にきた教子たちが、自分たちもここでやりたいと言い出したから、だったと記憶しています。
彼らの、荒削りながら切実な問題意識と奔放なバイタリティが綯交ぜになった展覧会には、いつもうならされてきました。

今回の展示の目玉は、美術の授業で高校生たちが制作した作品です。
選択科目で美術を取ったのが男子ばかりだったので、通称「ヤローズ」。
不良漫画の『クローズ』をもじって名づけられたあたり、その雰囲気は推して知るべし。
「武器を作れ」との課題を与えられ、ありあわせのジャンクで制作された、凶々しくも微笑ましいリーサルウェポンが披露されます。
そのほかにも崔さんや美術部の作品などが展示される予定。

かの国について、なにかとキナ臭い報道に接することの多いこの頃ですが、美術を通して朝鮮学校の実際に虚心坦懐に触れてもらえたら幸いです。



崔誠圭とヤローズ+α
「ぼくらは何も知らないまま 教えられないまま武器を作りつづける」

人は武器に力を感じる。純粋であればあるほどにその魔力から逃れられない。その自覚の中で武器の危うさを感じる事ができるのだ。だが私たちは武器の生産に加担してしまっている事を知らされていない。そして遠い国の殺戮やミサイル発射の場面をいつまでも他人事のようにモニターで眺めている。


[崔誠圭とヤローズ+αとは]
崔誠圭は授業、ワークショップによる集団作業やネットワークによる人の繋がりから、時間、空間、経験を共有する事で創造されていく事柄を提示し、問題定義する事を表現手段としています。今回「ヤローズ」と呼ばれる高3の学生たちと共に様々なものを制作しました。ヤローズは創造を楽しみ、破壊を楽しみ、休むことも楽しむ集団であり、何も特別なアートを作ってやろうという人達ではありません。凡庸でスペシャルな等身大の表現を今回の展示で切り取ることで今の現実を見せてくれる「かも」しれません。


会期:2017年7月21日(金)〜 25日(火)
時間:13:00 〜 19:00

【イベント】
22日  18:00〜
パフォーマンス&燻製パーティー







        

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