22日に、出品作家が勢揃いしてトークイベントが行われました。
用意した席も足りなくなって立ち見が出るほど、多くの方にご来場頂きました。
まずかわきりに、江尻潔さんによる岩笛の演奏と詩の朗読。
佐渡島で拾ったという掌にすっぽり収まるほどの石には自然に穿たれた窪みがあり、そこを利用して、なんとも繊細で床しい音色がひとしきり奏でられ、そのあと、詩集
『るゆいつわ』と
『虚光集』から一編ずつ詩が朗読されました。
読むというより吟じるといった方が近く、凛とした声が響きわたると、地下室が厳かな雰囲気に包まれました。
ついで、川島健二さんのお話。
寄稿してくれたテキストを敷衍するかたちで、神話における「根の国」について民俗学の知見を踏まえながらわかりやすく解説。師の谷川健一さんの仕事にも言及されるなど、お話は興趣が尽きず、個々の作家のことも知悉している川島さんだけに、この展覧会のコンセプトにさらなる奥行きを与えてくれました。
左が江尻さん 右が川島さん
そして、最後に9名の作家が一同に会して、各々の作品を解説してくれました。
いずれも自らの方法に自覚的な作家だけあって、あらためて話を伺うと腑に落ちることが多く、おかげでより作品へアプローチしやすくなったように思います。
この「根の国」展は、アートスタジオDungeonのかねてより念願の企画だったので、いいかたちで実現できたことは一際喜ばしく、ご来場くださった方々、そして過分な協力を賜った出品作家に、心よりお礼申し上げます。
スサノヲ展も今から楽しみです。
PR