忍者ブログ
Home > 記事一覧

地下室ブログ

板橋にある地下スペース「アートスタジオDungeon」で開催する展覧会やイベントの情報を発信します。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

《ファミっ子大聖堂》4日目 鼻ホームランの森

折り返し地点の4日目。
今宵のリクエストは『少女蜜蜂』。5月末に当スタジオで開催された兵頭喜貴「板橋地下秘宝館」ゲスト公演でも上演された、筆者気に入りの作品のひとつである。

主人公はプールでの水難事故で愛娘を失った父親。娘はどこかで生きていると頑なに信じる父親はビラを配り、娘を探しに行くための素潜りの練習に励む毎日を送っている。そんなある日、同じように水の事故で息子カンパネルラを失った父親から、行方不明になった少女達の住む国があるとの情報を得る。彼はその晩、娘を連れ戻すために忌まわしい事故現場の区民プールに忍び込み…。

実際に起きた痛ましい事件から着想を得た作品であり、東京ディスティニーは残された父親の娘への愛情、悔恨、慟哭、狂気、怒り、自責の腐乱した渦を、「蜜蜂」「甘い香り」というフレーズへと収斂させていった。

瑣末ながら、ラストシーンでは、父親の住むアパートの管理人として筆者は名前を使用してもらうという栄光に浴した。妙に嬉しい。



今夜の日替わりゲストは、都内で精力的にライブ活動を行なっている「鼻ホームランの森」。
山下健太:ボーカル・ギター
関根俊明:カホーン
松岡仁美:ピアニカ
山本奈穂子:コーラス・タンバリン
スガワラカズノリ:ベース

“絶望的な大失恋をきっかけにゴミ捨て場で拾ったアコギで弾き語りを始めた”というボーカル・ギターの山下氏。そのせいだろうか、どこかメランコリックな演奏は郷愁を感じるのだが、では、過去に聞いた誰に、何に似ているかと思い起こそうとしても、思い当たるミュージシャンが出てこない。強いて言うなら、RCサクセションの忌野清志郎をもっと美しく透明にした感じだろうか。独特の気怠さは汗ばむ真夏の午睡にも似て、ある種の遊泳感が心地良い。



珍しく順調な時間配分で進んだこの日、東京ディスティニーのトリの作品は『サンタクロースVSグレムリン』。この作品も『少女蜜蜂』同様、5月末に上演された、筆者気に入りの1作である。
主人公は“サンタクロース養成学校”に通うサンタクロース候補生のルメルク。12月24日、この日はサンタクロース認定試験の最終科目、プレゼント配達実習の日である。準備にいそしむルメルクは子供たちに配るプレゼントの山の中に奇妙な生き物を見つけ、食べ物と水を与えてしまう。よもやその生き物が“グレムリン”だとは露にも思わずに…。
実はこの作品、続編があり、これがまた圧巻である。ぜひリクエストして欲しい。
(アートスタジオDungeon オーナー・戸野倉あゆみ)
PR

《ファミっ子大聖堂》3日目 朝マック

3日目のゲスト出演者は朝マックさん。
なぜこのようなバンド名にしたかといえば、「ッ」の入った切れのいい名前にしたかったからだそうです。だからといって、朝マックでなくてもいいように思いますが、一度聞いたら忘れないバンド名なのは確か。

本来はコアなパンクバンドとのことですが、今回はイベントの性格を考慮してくれてか、朝マック初の試みとして小芝居を挟みながらの擬ミュージカル仕立てな演奏となりました。

タイトルは「西遊記」。
メンバーがそれぞれ孫悟空、猪八戒、沙悟浄、三蔵法師に扮し、孫悟空が意中の人とラブホテル「天竺」へ行けるよう皆で指南するという、馬鹿馬鹿しいといえば馬鹿馬鹿しいことこの上ないストーリー。でも、そのゆるい笑いのセンスには侮りがたい魅力があり、間に入る演奏とのメリハリがよく効いて充分に楽しませてもらいました。



このイベントでは、まず最初に東京ディスティニーランドさんの芝居があり、ついでゲスト出演者のコーナーがあり、最後にまた一人芝居が入るという構成になっています。
大概はゲストの出番が終わったところで公演終了の時間くらいになってしまうのですが、どうしても1日2演目やりたいという主催者の強い意向で、今のところ毎日予定時間をはるかに超過しております。

まだ七日間戦争の半ばにも達していませんが、東京ディスティニーランドさんはどうやらペース配分などまるで考えていない模様です。




《ファミっ子大聖堂》2日目 かせ栞

よもや地下室でアイドル歌手が歌うなんてことがあるとは思ってもみませんでした。

2日目のゲスト出演者のかせ栞さんは、アキバの路上ライブからメジャーデビューを果たしたアイドル歌手です。

当日、開演間際に初めて地下室を訪れ、打ち合せやリハーサルもそこそこに、ふりふりな衣装で正統派アイドルの王道な歌と踊りを披露したばかりか、東京ディスティニーランドさん相手に即興劇を演じて一歩も引けを取らないところなど、なかなか見上げたバイタリティの持ち主でした。


かせ栞さんと、謎の中学生・葉加瀬しお太


右は小牧紫音さん

共演者の小牧紫音さんがこの日歌ったものも含め、曲はすべて自分で作曲したそうで、その才媛ぶりが窺えます。
そんな意欲的で物怖じしない姿を見て、アイドル業界でしのぎを削るのも大変なんだろうなあ、と感じ入った次第。

この日の東京ディスティニーランドさんは、「アリーナスワン」という作品の劇中に「歌謡ショー」の場面を設け、そこでかせ栞さんに自由に歌って踊ってもらう趣向にしていたりと、状況や場に合わせて柔軟に対応する東京ディスティニーランドさんの融通無碍っぷりが随所に発揮されておりました。




《ファミっ子大聖堂》初日観覧記

女装一人芝居芸人「東京ディスティニーランド」主催・狂気の7日間連続公演《ファミっ子大聖堂~ぼくらの火の七日間戦争~》がいよいよ初日を迎えた。

舞台セットである真紅のベルベットの玉座、そしてそれを取り巻くように並べられたガラスの燭台に妖しく揺れる蝋燭の火が、開演を待つ観客の期待を否が応でも高めていった。



まずは東京ディスティニーランドの一人芝居。5月末に当地下室で行われた16時間一人芝居公演と同様に観客のリクエスト形式で始まった演目は『伝説のオウガバトル』。物語はおじいさんとおばあさんが桃を拾うところから始まる。月日は流れ桃から生まれた桃太郎は立派に成長し…。

むろん展開は昔話の桃太郎から次第に離れていく。東京ディスティニーランドが演じた役は、「おじいさん」「おばあさん」「桃太郎」「鬼」「浦島太郎」「花咲か爺さん」「こぶとり爺さん」「ポムじいさん」筆者が記憶している限りで9役。序盤の「おじいさん」と「おばあさん」のやり取りはまるで落語を観ているかのような風刺を利かせた洒脱な台詞回しで、この役者の力量とその安定感が窺われる。

RPGゲームやガンダム、ジブリアニメなどのサブカルチャー要素を軽妙に散りばめながら、物語は意外な方向に進み、そして一気に怒涛のカタストロフへと突入していく様は圧巻であった。「伝説の勇者桃太郎」を演じる「浦島太郎」を演じる「役者・東京ディスティニーランド」が役になり切って役の心情を体現しているのかと思えば、「東京ディスティニーランド」の役者として、また一人の人間としての魂の吐露とも見え、一観客として総毛だった。そして終盤、一転して静かに静かに、最初のシーンに戻ったかのように「おじいさん」「おばあさん」「桃太郎」の3人で終わる構成もさすがである。



白熱の演技で1時間20分という予想外のタイムオーバーの後は、「花枝聖と稲城の森バンド」による演奏が始まった。
東京稲城市を拠点に活動している「花枝聖と稲城の森バンド」。ボーカル・アコースティックギターの花枝聖、ベースの水野雄介、カホーン(ペルー発祥の箱型の打楽器)のサミーというシンプルなバンドの構成ながらダイナミックなライブを披露してくれた。
まるで真夏の太陽さながらの輝きをそのまま地下室に持ち込んだような、どこまでも明るく、楽しく、前向きな世界観は当スタジオ初でなかろうか。実は筆者には太陽の輝きを地下に持ち込みたいという願望があったので、うれしい限りである。「音を楽しみたい、観客と一緒に作る音楽を楽しみたい」という彼らの音楽はハートフルできらきらしているかと思えば、ソロ紹介のくだりでは「ギターって打楽器だったっけ?」と思わせるほど激しく、楽しく、真夏の太陽そのものパッション溢れるパフォーマンスとなった。
演奏曲は以下の8曲。
・ Happy day
・ リハビリ
・ 板橋でたぬきに会った
・ 大東京
・ 今しあわせ
・ 当たり前
・ Stand Up
・ 花



「花枝聖と稲城の森バンド」演奏後、再び「東京ディスティニーランド」の芝居で初日を終えることとなった。演目は「ブラドおぢさん」30分ほどの、彼のレパートリーの中では短い出し物であるが、密度は濃い。ファンの間での人気も高いのではないだろうか。この演目については次回リクエストがあることを期待し、あえてここでは語らないことにする。

初日からエンジン全開の《ファミっ子大聖堂~ぼくらの火の七日間戦争~》。残り6日間も東京ディスティニーランドは体力の続く限り、限界を超えてでも走り続けるであろう。
(アートスタジオDungeon オーナー・戸野倉あゆみ)


《ファミっ子大聖堂〜ぼくらの火の七日間戦争〜》 Ustream配信

本日より始まる東京ディスティニーランド主催のイベント《ファミっ子大聖堂〜ぼくらの火の七日間戦争〜》を1週間毎日Ustream配信致します。

全日来られない方や遠方にお住まいの方は、こちらでお楽しみください。
http://www.ustream.tv/channel/東京ディスティニーランド

前回と同様、東京ディスティニーランドさんの一人芝居はリクエスト制になっておりますが、演目をだいぶん絞り込んだ模様。
今回の上演作品リストはこちらになります。

それでは、いよいよ七日間戦争のスタートです。

(イラスト:東京ディスティニーランド)

カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

フリーエリア

最新コメント

プロフィール

HN:
junken
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

P R

忍者アナライズ