「人間持ちベル」
「ばばん」
「お手軽遊び“怒り”」
「エロ本からエロを打ち消す」
不可思議なタイトルのショートフィルムが一本、また1本と上映されるに従い、次第に作家の思考が露になっていく。
B級シュール・レアリズム、不条理フィルム、モンティ・パイソン的ブラックユーモア、様々な言葉が浮かぶものの、彼の作家性にピタリと当てはまる形容が見つからない。
彼の創作は高校生時代まで遡る。日常生活の中での道行く人々に対し、いかに面白い言葉を『発想』できるかを同級生と競い合うゲームに熱中したという。それ以来、電車の中でも、渋谷のスクランブル交差点でも、街中の看板を見ても、エロ本を見ても『発想』せずにはいられない性癖は続いているようだ。
「“当たり前”を疑い、いかに面白い『発想』をするか、それによって人に楽しんでもらいたい。」
彼は今日この瞬間も(あるいは夢の中でさえも)何かを『発想』しているに違いない。既成概念の打破というものに異常なほどの悦びを感じながら。
(写真・文 戸野倉あゆみ)
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