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地下室ブログ

板橋にある地下スペース「アートスタジオDungeon」で開催する展覧会やイベントの情報を発信します。

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作品紹介

フジタヨウコ「不思議の国のアリスの街」

大小さまざまな陶製の館が、海に浮かぶ島嶼のように並べられ、この一角だけ地中海かどこかの風景みたいな雰囲気を漂わせています。
これら切妻屋根の館のいくつかは、上下対称になっていてひっくり返すことができたり、覗き穴から内部を見ることができたり、また鑑賞者が配置を自由にアレンジできるようになっています。
ファンシーではありますが、一番大きな作品の物量感などはちょっとしたもので、ほのぼのとした中にも意外にパワフルなものが感じられます。





田島鉄也
「遠くの空の微光の方から ふるへる物象のかげの方から
犬はかれらの敵を眺めた
遺傳の 本能の ふるいふるい記憶のはてに
あはれな先祖のすがたをかんじた。」


一室を漆黒の洞窟のように仕立てあげ、靴を脱いで中へ入ると、正面の壁に埋め込まれているのはアンモナイトの化石、薄暗闇に目を凝らせば、周囲には毛皮やラメにきらめく動物の角のようなオブジェが置かれ、床にはなぐり書きされた萩原朔太郎の詩を読みとることができます。
田島さんは『「野生」論』という著作を物しただけあって、見る者の眠れる原初の感性に向けて語りかけ、挑発しているかのようです。




外山文彦「Landscape」

日常よく目にする有孔ボードが仰々しくフレームに収められ、あたかも絵画作品のように壁に掛けられたり、立体作品のように床に置かれたりしています。仔細に見れば、ボード材の穴の中には鏡などが仕込まれています。
ここには、ありふれた素材を美術作品として成り立たせること、さらにそれを地下室という空間に絶妙な間で配置することで、二重の異化効果がもたらされているように思われます。





大和由佳「発話とぶどう」

壁に投影された二つの映像。一つには幼児たちの顔が、もう一つには、屋上で紫色の布を干す作家本人の映像が流されています。
二つの映像は同期しており、幼児が声を発すると、紫の布が干されるようになっていて、そこでは幼児の未だ言語ならざる声が、はき出されたブドウの皮としてとらえられています。
大和さんは、このような名状しがたいフェノメナルな「こと」をイメージや物に変換し、洗練されたかたちで観せることに長けているようです。






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「地下光学」 Underground Optics

今月18日から、現代美術のグループ展「地下光学」を開催します。

参加アーティストは、新潟在住の外山文彦さんとフジタヨウコさん、関東在住の田島鉄也さんと大和由佳さんの4名。

地下室に触発された作品を制作してくれるとのことで、概要など詳細は下記HPをご覧ください。
https://chikakougaku.wordpress.com/



現代美術グループ展 「地下光学」 Underground Optics

会期 : 2016年 11月18日(金) - 27日(日)  ※21、22日は休み
時間 : 12時 ~ 19時 (最終日は 17時まで)
参加作家 : 田島 鉄也、外山 文彦、フジタ ヨウコ、大和 由佳 (50 音順)

◆ 11月27日(日) 14:00 ~ ギャラリートーク (その後、作家を囲んでの懇親会)





「 アリスの即興実験室 vol.Ⅱ」動画公開

過日のパフォーマンスの記録動画を公開しました。
20分弱のダイジェストです。





アリスの即興実験室 vol.Ⅱ

藤井マリさんと本田ヨシ子さんによる「アリスの即興実験室」の2回目。
ゲストアーティストは映像の大野英寿さんです。

プロジェクターを4台駆使した大野さんの映像は、イメージを観せるというより、陰影を彫琢するための光の演出といった趣きで、見極められたタイミングで流したり消したり、壁だけでなく天井や床にも投影して、パフォーマンスを引き立てていました。

ボイスの本田さんはよりアクティブになり、生の声のみならず加工したりループさせたりした声と音響は、大野さんの映像との相性もばっちりで、ソロパートといってもいいような場面もあって、ぐんと存在感が増してきた感じ。



そして、今回の藤井さんは、光と音の飛び交う空間に、踊りで拮抗するのではなく、あえてダンスっぽい動きを封じて自然に環境に身を任せているように見受けられました。





途中、酔っぱらったお客さんが踊りに乱入するというハプニングもありましたが、即興実験室の面目躍如と言うべきか、卒なく捌いて1時間ほどのパフォーマンスをやり通しました。

2回の公演を拝見して、舞台と客席の区別もない地下空間において、劇的な構成を排したインプロヴィゼーションでなにができるのかを模索しているのだということが、少しわかったような気がしました。

最後にどんな試みを見せてくれるか、とても楽しみです。




アリスの即興実験室 vol.Ⅰ

藤井マリさんと本田ヨシ子さんの即興によるコラボ企画の第1弾。
初回のゲスト・アーティストは山田裕子さんです。

地下室全体を縦横に使い、お客さんも一緒になって移動しながらの上演となりました。

藤井さんの踊りは、未知の世界に迷い込んでしまい、戸惑いながら彷徨うアリスの姿そのもののようでした。
実際、リハもなしに全くのぶっつけで踊る地下室という空間に対して、藤井さん自身、多少まごつくこともあったようで、踊りながら懸命に場を走査し把握しようとする様が、そんな印象を与えたのかも知れません。



本田さんの清澄な声はがらんどうの地下室によく反響しながらも、程のよい間で発せられるために、かえって静謐さを強く意識させる効果をもたらしていました。今回はシンプルなナマ声でしたが、2回目以降どんなヴァリエーションを聴かせてくれるか楽しみです。



一室にガーリーな絵柄がプリントされた布をインスタレーション風に展示した山田裕子さんは、パフォーマンスでも藤井さんにがっつり絡んでいました。
猫の仮面をつけていたのは、アリスの道行に介入するチェシャ猫といった役どころだったのでしょうか。




終盤、たくさんの目覚まし時計が一斉に鳴り出し、アリスは無事に夢から醒めたようでありました。



パフォーマンスの余韻もあってか、上演後の宴もどこか不思議な雰囲気でした。
お客さんとして来ていた中世古楽器の演奏家が、興に乗って、持参したハーディ・ガーディを奏ではじめると、その場にいた人たちがわらわらと踊り出し、フルートの演奏も加わって、いつまでも憑かれたように踊り続けておりました。




来月は大野英寿さんによる映像とのコラボレーションになります。



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