今月の地下室では、アーティストで東京朝鮮中高級学校の教員である崔誠圭さんを中心とした展覧会を開催します。
わりとご近所ということもあり、縁あってこれまで何度か朝鮮学校の生徒さんたちの展覧会をやっています。
最初のきっかけは、崔さんに連れられて地下室の展示を観にきた教子たちが、自分たちもここでやりたいと言い出したから、だったと記憶しています。
彼らの、荒削りながら切実な問題意識と奔放なバイタリティが綯交ぜになった展覧会には、いつもうならされてきました。
今回の展示の目玉は、美術の授業で高校生たちが制作した作品です。
選択科目で美術を取ったのが男子ばかりだったので、通称「ヤローズ」。
不良漫画の『クローズ』をもじって名づけられたあたり、その雰囲気は推して知るべし。
「武器を作れ」との課題を与えられ、ありあわせのジャンクで制作された、凶々しくも微笑ましいリーサルウェポンが披露されます。
そのほかにも崔さんや美術部の作品などが展示される予定。
かの国について、なにかとキナ臭い報道に接することの多いこの頃ですが、美術を通して朝鮮学校の実際に虚心坦懐に触れてもらえたら幸いです。
崔誠圭とヤローズ+α「ぼくらは何も知らないまま 教えられないまま武器を作りつづける」人は武器に力を感じる。純粋であればあるほどにその魔力から逃れられない。その自覚の中で武器の危うさを感じる事ができるのだ。だが私たちは武器の生産に加担してしまっている事を知らされていない。そして遠い国の殺戮やミサイル発射の場面をいつまでも他人事のようにモニターで眺めている。
[崔誠圭とヤローズ+αとは]
崔誠圭は授業、ワークショップによる集団作業やネットワークによる人の繋がりから、時間、空間、経験を共有する事で創造されていく事柄を提示し、問題定義する事を表現手段としています。今回「ヤローズ」と呼ばれる高3の学生たちと共に様々なものを制作しました。ヤローズは創造を楽しみ、破壊を楽しみ、休むことも楽しむ集団であり、何も特別なアートを作ってやろうという人達ではありません。凡庸でスペシャルな等身大の表現を今回の展示で切り取ることで今の現実を見せてくれる「かも」しれません。
会期:2017年7月21日(金)〜 25日(火)
時間:13:00 〜 19:00
【イベント】
22日 18:00〜
パフォーマンス&燻製パーティー
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