タイトルのマウロとは、還暦を迎えたとはにわかには信じ難い万城目純さんのこと。
饗宴は、かの哲学者プラトンのエロスを主題にした名高い対話篇に由来するそうです。
プラトンはさておき、万城目さんたちの舞台は饗宴と呼ぶにふさわしいにぎやかさで、アングラ的なおどろおどろしさなど微塵もなく、肩肘はらず楽しめ、妖しいというよりいかがわしい、ちょっとキッチュなレヴューといった感じでした。
まず冨岡千幸さんが謡をうたいながら現れ、お客さんを客席に導きます。
ホムンクルスの演奏が始まると、綾さんが妖艶なベリーダンスを、田中奈美さんがしなやかなダンスパフォーマンスを披露してステージを盛り上げたところへ、御大万城目さんが性を越境した美女、坂本美蘭さんを白魔術で操りながら登場。
最後は全員入り乱れての饗宴となり、やがて熱狂のうちに大団円を迎えました。
冨岡千幸さんと坂本美蘭さん
綾さんと田中奈美さん
1時間ほどの上演に、これでもかというくらいあの手この手を投入する旺盛なサービス精神とバイタリティには感服。
それになんと言っても、多彩な古楽器を駆使したホムンクルスの演奏には、新鮮な感銘を受けました。ハーディ・ガーディの三重奏など滅多に聴けるものではないと思われ、実に貴重な体験をさせていただきました。
ハーディ・ガーディを弾くホムンクルスの皆さん
リュートとウード
バグパイプとクルムホルン
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