この展覧会で海さんが大麻の問題を扱うというのも慮外でしたが、展示もまたちょっと意表をつくもので、立体作品だけでなく、関連書籍や映像、各界著名人のコメント、北大路翼や正岡子規の俳句などが掲出されていて、地下室の一角が大麻の資料コーナーのようになっています。
この啓蒙的ともいえる直球ぶりは賛否の分かれるところだと思いますが、本展の特色の一つであることは間違いありません。
そして、ここで毛利嘉孝さんをお招きしてのトークイベントが行われました。
武田海さんと毛利嘉孝さん
カルチュラル・スタディーズを始めとする毛利さんのお仕事は説明するまでもありませんが、大麻の法改正を訴える「マリファナマーチ」はその雰囲気が好きでよく行かれるとのこと。
『アフターミュージッキング ―実践する音楽―』という編著書が出版されたばかりでもあり、海さんの美術の話に対して、音楽の側から補足してくれたのは有意義でした。
まず海さんが日本における大麻の実情や歴史的経緯を紹介した後、医療目的として導入すべきという自説を展開。それを受けて、毛利さんも自らの考えを鮮明にしながら、柔軟に縦横に話の幅を広げてくれました。
とはいえ、初手からお酒を飲みながらのトークだったため、つい伝法になって舌が滑りすぎることもしばしば。ので、内容についてはこのくらいで控えておきますが、予定の時間を過ぎても話題は尽きることなく、歓談は夜半近くにまで及んだのでした。
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