藤井マリさんと本田ヨシ子さんによる「アリスの即興実験室」の2回目。
ゲストアーティストは映像の大野英寿さんです。
プロジェクターを4台駆使した大野さんの映像は、イメージを観せるというより、陰影を彫琢するための光の演出といった趣きで、見極められたタイミングで流したり消したり、壁だけでなく天井や床にも投影して、パフォーマンスを引き立てていました。
ボイスの本田さんはよりアクティブになり、生の声のみならず加工したりループさせたりした声と音響は、大野さんの映像との相性もばっちりで、ソロパートといってもいいような場面もあって、ぐんと存在感が増してきた感じ。
そして、今回の藤井さんは、光と音の飛び交う空間に、踊りで拮抗するのではなく、あえてダンスっぽい動きを封じて自然に環境に身を任せているように見受けられました。
途中、酔っぱらったお客さんが踊りに乱入するというハプニングもありましたが、即興実験室の面目躍如と言うべきか、卒なく捌いて1時間ほどのパフォーマンスをやり通しました。
2回の公演を拝見して、舞台と客席の区別もない地下空間において、劇的な構成を排したインプロヴィゼーションでなにができるのかを模索しているのだということが、少しわかったような気がしました。
最後にどんな試みを見せてくれるか、とても楽しみです。
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