例年通り、地下室は「晦日い」で無事1年を締めくくることができました。
今年もどうぞよろしくお願い致します。
あらかわあつこ 三日間だけ個展を開催したあらかわさんは、自分の生活圏での何気ない風景や出来事を衒いもなく撮っています。
個人的なことを言わせてもらうと、そんなあらかわさんの写真を客観的に鑑賞するのが思いのほか難しかったりします。
あらかわさんとはいわば同郷で、今もご近所に住んでいるため、わりと最近まで面識がなかったにも関わらず、そのアルバムには他人事とは思われぬ、極めて馴染み深い風景が収められていたりするのです。
例えば右端の「おもちゃのバンビ」という看板の写真。多くの人には取り立てて興味を引くものではないかもしれませんが、こちらにとっては、今はもう存在しないこの玩具店をめぐる幼少期の思い出が一挙に喚起されて、とても平常心ではいられません。
記憶の共有、というのも写真がもつ効能の一つなのだと思われます。
岡啓輔着工10周年を迎えた蟻鱒鳶ルの年譜と、次なる新プロジェクト「 蟻鱒鳶ル球」!
ローマのパンテオンに触発されて思わず妄想してしまったとのこと。直径20メートルのコンクリートの球体の中で、みんなで車座になって世界を語る場所として構想したそうです。今はまだ妄想の段階でも、こんなところからほんとに物ごとは動きだすのかもしれません。
木村哲雄画伯は定評ある「LoveCity」シリーズから数点出品。
哲雄らしい特有のデフォルメと色使いはじつにサイケデリックです。
左は地下室のすぐ鼻の先の風景を描いたもので、この作品はめでたくアートスタジオDungeonのオーナーの所蔵となりました。
関根正幸蟻鱒鳶ルを撮った写真のファイル。
我が道を行く仕事ぶりに、今年もブレなど微塵もありません。
田中大介 スプライト(超高層雷放電)という現象から着想を得て制作した作品とのこと。
真暗闇の中、明滅するストロボの光で極細のストライプが描かれたタブローを鑑賞するという、閉塞的な地下室の空間を活かしたインスタレーション的な展示でありました。
そんな展示ですので、写真はあくまで参考で。
出口泰之 昨年(2015年)逗子で開催した個展を踏襲した展示になっているそうです。
余計なものを排したミニマルとも言い得る出口さんの写真には、独特の風合いがあって、もっと大きなプリントで見てみたくなります。
宮本江里子この迫力のある大画面の被写体は、千葉県館山市の常楽山萬徳寺というお寺にある日本最大級の青銅製の涅槃仏。実際は16メートルあるそうです。この霊験あらたかな仏様が見守っていてくれたおかげで、酔って暴れる不届き者もおらず、和やかな宴となりました。
柳田亮味わい深い手書きの「けんちく新聞」はもう15年ほど続いているそうです。
柳田さんの絵画作品は初めて拝見しましたが、けんちく新聞の繊細なペン画とは対照的な濃厚な作風だったので、たいへん興味をそそられました。
岡さんの音頭で三本締め。
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