先だって行われた金大偉さんのライブのご報告です。
この日は切れ目なくぶっ続けで10曲ほど演奏。
岩崎裕和さんのシンセなどによるアンビエントな雰囲気をベースに、未藍千紗さんのボイスや金さんの楽器演奏による即興的なノイズが介入し、さらにそこへ徳富政樹さんのリーディングや、倉岡未來人さんのライブペインティングが加味されるという盛沢山な内容でありました。
金さんはラップトップにサランギー、バンドネオン、バイオリンといった楽器だけでなく映像のスイッチングまでこなして八面六臂の活躍ぶり。
メンバーのアンサンブルもなかなかのもので、リハーサルを見たかぎりごく簡単な打ち合せしかしておらず、そこからもかなり気心の知れた面子であることが窺われます。
いろいろな音楽のスタイル・手法を意欲的に取り入れて無手勝流に消化してしまう金さんですが、満州族のシャーマンの声をサンプリングした曲はとりわけ印象に残りました。
ありがちなエキゾティシズムやスピリチュアルっぽさを脱して、金さん独自の音楽が生まれる萌芽のようなものが感じられました。
これは7年かけて制作したドキュメンタリー映画が音楽にも深い影響を及ぼしているのだと思われ、今後の展開が楽しみです。
ライブの記録動画も近々お見せできれば、と思っております。
(写真:前澤春美)
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