12月の地下室では、「ポエトリー・イン・ダンジョン」と題して、詩のイベントを開催いたします。
思えば、戦後の日本美術の傍らにはつねに詩人がいた、というイメージがあります。
詩人が先導したシュルレアリスムの影響や、瀧口修造という存在も少なからず寄与していたと思われますが、詩人が美術評論を手がけることはごく自然で、詩画集をはじめ詩人と美術家による優れた共同作業は枚挙にいとまがなく、自分もそこから文化的に大きな感化を受けてきました。
同様のことは舞踏や現代音楽などについてもいえるかもしれません。
でも最近は、心なしかそういった関わりあいが薄くなっているような気がします。
こちらが知らないだけで実際のところはわかりませんが、そんな個人的な印象から、詩人と異分野のアーティストが交流するような機会を作ってみたいと思うようになりました。
「ポエトリー・イン・ダンジョン」は詩のイベントです。
若手から中堅どころの、いずれも堅実な仕事をしてこられた才気あふれる詩人たちが、美術や踊りや音楽という領域で活動する粒よりのアーティストたちとコラボレートします。
言葉を操る詩人が、他のジャンルと交錯することで、どのように拡張していくのか。
そんなことを不定期のシリーズで試みていきたいと考えています。
その第一回目となる「直角はありません」というタイトルは、川口晴美さんの創案によるもの。
川口さんが地下室へ下見にいらしたとき、オーナーの戸野倉さんから「ここは壁も床も歪んでいて、直角なところがひとつもないんですよ」と説明されたのが印象に残り、詩に使おうと心に留めていたそうです。
含蓄のあるよい言葉だと思い、使わせていただきました。
ポエトリー・イン・ダンジョン vol.1「直角はありません」【開催日/時間】
12/1(土)、2(日)、7(金)、8(土)、9(日)
13:00 – 19:00
【展示】
生野毅 × 黒須信雄(画家)
田野倉康一 × 川田夏子(日本画家)
言水ヘリオ × タカユキオバナ(現代美術家)
江尻潔 × 藤白尊(画家)
広瀬大志 × 宇野和幸(画家)
そらしといろ × 蒜山目賀田(画家)
川口晴美 × 相磯桃花(現代美術家)
【イベント】
各日17時から
12/1(土)
[リーディング] 田野倉康一、言水ヘリオ
[パフォーマンス] 生野毅 × 秦真紀子(ダンス)
12/2(日)
[トーク]+[リーディング]
柏木麻里(出光美術館学芸員) × 江尻潔(足利市立美術館次長) × 田野倉康一(司会)
12/8(土)
[リーディング] 広瀬大志、そらしといろ
[パフォーマンス] 永澤康太 × 山川英毅(ボーカリスト/作曲家) × 玉塚充(パフォーマー)
12/9(日)
[リーディング] タカユキオバナ、川口晴美
[パフォーマンス] 石田瑞穂 × 村岡佑樹(ギター) × 野澤夏彦(ギター) × レンカ(踊り)
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